現代日本文学の最高峰!村上春樹「ノルウェイの森」

村上春樹さんはおそらく多くの人が知っていることと思います。毎年ノーベル賞の時期になると、ノーベル文学賞の候補に挙げられ話題になる大作家さんです。 「ノルウェイの森」は、村上春樹氏の代表的な著作です! あらすじは、東京の大学生「ワタナベ」が、学生時代からの友人直子、とある事件により今は会えなくなってしまったキズキ、同じ大学に通う女子大生緑など、様々な人との出会いを繰り返していくというものです。 作風としては日常的でプライベートな要素の強い内容ですが、村上春樹氏が持つ死生観や社会に対する洞察、そしてカルチャー... Read More

「風と共に去りぬ」は、映画よりも壮大なスケールを感じられる

映画では何度も観たことがある「風と共に去りぬ」ですが、初めて小説で読みました。映画よりも更に細かな情景が壮大なスケールで描写されており、その時代背景や登場人物の心の揺れ動きも手に取るようにわかるとても楽しい作品でした。 アメリカの南北戦争勃発当時の、南部の貴族たちの優雅な暮らしぶりが目に浮かぶように描かれており、歴史書よりも面白く読むことができました。奴隷たちが置かれた苦境の中で精一杯生きていく力強さを感じることができ、読み手の気持ちがどんどんその時代へと引き込まれていくような作品です。 映画では描ききれ... Read More

実用書 オイラーの贈物

この本は、数学の基礎、応用などを基にした数学の美に関する本です。 全ては理解できなくても、「こういうことが起こるんだ」と感動できる本でもありました。 オイラーという数学者は、「e^iπ=-1」という綺麗な式を導いた人で有名です。 これは、ネイピアの数eを虚数iと円周率πが整数でつながっていることを意味しています。 順をおって、三角関数とは何か、指数対数関数とは何か、など基礎的な計算で導きながら、書かれているので、数学が好きな人は興奮するでしょう。 例えば、πはなぜ3.14かなど、正多角形と円を使った証明や... Read More

蜜蜂と遠雷 第156回直木賞、第14回本屋大賞 そのとおりの出来

音楽が好きという方は、今の世の中、たくさんおられると思います。 電車の中のイヤホン率の高さを見れば一目瞭然です。 でも、話が、「クラッシック」の「ピアノコンクール」となると、「知っています」という方は、激減するのではないでしょうか? 今回ご紹介する小説は、日本で開催される、クラシックの、ピアノコンクールを題材とした、「蜜蜂と遠雷」です。 著者、恩田陸。 幻冬舎刊。 主な登場人物は3人。栄伝亜夜(えいでん あや)20歳 幼き頃、天才ピアニストとして名を馳せた経歴を持つ。風間塵(かざま じん)16歳 あまり正... Read More

男たちの大和

私が今回お薦めしたい作品は『男たちの大和』です。 映画のシナリオを小説にした太平洋戦争時に活躍した戦艦大和に乗り組んだ人達の話です。 ある女性が、鹿児島県の枕崎で大和が沈んだ海域に船を出してくれる人を探しています。 それを聞き入れた老人は、女性の父親のかつての部下でした。 主人公はまだ10代後半の少年兵であり、仲間もまた同じような年齢で大和に乗り組み、それぞれの配置で切磋琢磨していきます。 上官との厳しくも温かい交流、家族との別れ、窮地の沖縄へ飛行機の護衛無しでの海上特攻作戦。からくも生きて帰ってきた主人... Read More

近代絵画の暗号を読んでみた!

最近、購入した本。 それは「近代絵画の暗号」というタイトル。 美術は好きですが、なかなか美術館で鑑賞するときにどう見ていいのか分からないなと思っていました。 わかりやすい解説が美術館で行われているか?というとそうではないですよね。 きっとこの絵にはいろんな物語があるのだろうけれど、パッと見た印象で良し悪しを決めるしかないのはつまらないなと思っていました。 この本で紹介されている絵画は9点。 たぶん美術が好きでない人も知っているという作品はこの9点の中に必ずあると思います。 フェルメール、マネ、モネ、ゴーギ... Read More

不思議な雰囲気の夜のピクニック(作:恩田陸)

恩田陸の作品が好きで様々なものを読んできました。 恩田陸と言えば、「六番目の小夜子」をはじめとするミステリー小説で有名ですが、この作品は恩田陸の作品の中では特異なものを感じます。 不思議な雰囲気、世界観を醸し出している恩田陸の作品は、本を読むのが苦手な方からすると、なかなか読みにくいと思います。 しかしこの「夜のピクニック」は高校生の女の子を主人公とした、恩田陸としては珍しい青春ストーリーなのです。 内容としては、主人公の甲田貴子が、学校行事である歩行祭で80kmをクラスメイトと一緒に歩くというものです。... Read More

奇妙な夢の世界へーf植物園の巣穴を読んでー

「本当に夢だった。」  この本を読み終えて真っ先に思ったことだ。自身初の梨木作品だったが、初見ではその独特の世界観に何度も置いていかれた。同じ箇所を繰り返し読んでは自分の理解を確かめる、そういった作業が何度も続いた。  あらすじ―植物園の職員である主人公は勤務中、木のうろに落下したことから世界が変化する。改変後の世界で奇妙な物の怪たちとの出会いをきっかけに彼は過去を思い起こすことになる。  私がこの本に初めて出会ったのは図書館だ。名前は知っている作家だからと何気なくこの本を借りた。その時まで梨木香歩の作品... Read More

「しゃべれどもしゃべれども」で知る笑いの緊張と緩和

普段はビジネス書や政治、歴史ものなどを読むことから、時折、軽快で明るい小説を読みたくなります。 その中でまず真っ先に思い浮かんだのが、佐藤多佳子さんの「しゃべれどもしゃべれども」です。 話しは割とシンプルです。 主人公は二ツ目落語家である今昔亭三つ葉。 人とのコミュニケーションや、話し下手な人間が自分を克服するために主人公の元に落語を習いにくる、というお話なのです。 出てくる人物が実にイキイキと描かれていて、ゲラゲラと笑いながら読んでいました。 主人公の元を訪れる人物は4人。 対人恐怖症で仕事を辞めざるを... Read More

見えない貌 夏樹静子

出会い系サイトとネット社会、裁判の行方で事件が様々な方向に展開する推理小説です。 文庫本で600頁を越えるのですが、一気に読み進められた作品です。心が通じ理解し合っていると思ってた24歳の娘、結婚して3年目で幸せな家庭生活を築いている疑わなかった娘。こまめなメールで情報交換が続いていて、本当に親孝行な娘だったのです。 そんな娘が行方不明の末、ダムに沈められた刺殺死体となって発見されます。母親は、普段使用していた携帯電話とは違う隠された携帯メールから娘の本当の貌を知り愕然とします。警察には届け出ず、娘の携帯... Read More