煩悩フリーの働き方 小池龍之介 角川文庫

将来の不安だったり過去の後悔に悩まされる事があります。あるいは毎日、今日すべき事に追われ、こんな事をやっていていいのかと迷う。食事をしながら昨日あった事を思い出し、靴を履きながら嫌な上司の事を頭にうかべる。ほとんどの人はこうした考え事で頭の中がいっぱいだと思います。

しかし頭の中が考え事でいっぱいだと日々の幸せを感じにくいですよね。好きな事をしている時はその事に集中していて、あれこれ考えずに心地良い時間が流れています。この好きな事をしている時の意識の状態を日々のあらゆる行為の中に取り入れていく事が大事だと思います。未来への不安から、「今もっと何かをしなければいけない」と焦っていま目の前にある事に意識を向けていない状態は幸せな時間ではないよね。何か大きな喜びや楽しみ、刺激の強い娯楽が毎日を充実させてくれる訳ではないです。

そこで、著者はこの本の中で日常生活でしている行為をもっと意識的に行うよう説いています。
煩悩フリーの働き方の感想

引用ー「仕事中、一つひとつ目の前にあることに心を集中させて取り組みます。帰宅後、夕食に没頭します。歯磨きに没頭します。入浴に没頭します。そうして入眠いたしますならば、朝から晩まで楽しい遊びに無我夢中になっていたこととまったく同じようなすがすがしい疲労感だけが残っていて、ぐっすり眠ることがかないます。

大人になると毎日があっという間に過ぎていきます。気がついたら1年2年と過ぎていて、何も達成できていない事に焦りを感じたりします。将来の目標ばかりに囚われるのではなく、いま目の前にある事に意識を集中させる事が人生の充実につながるという考えは新鮮でした。しかも、日々の行い行動に意識を集中させる事はお寺での修行の基本に通じている事を知りました。将来の目標も大事ですが、そこに行くまでの過程を大事にする意識を持つことで、いらぬ焦りに囚われる心を鎮める事ができます。このことに関してとある本の一節を思い出しました。

引用ー『成功は短い時間をどう集めたかで決まる。一つの勝利をつかむのに100万分使い、その後、その喜びを1000分味わう。100万分が不幸だったら、どうして勝利を味わう1000分が素晴らしい時間になろうか。それは無理な話…

人生は、小さな喜びでできている。朝食を食べながら、妻と視線をかわす一瞬。友とふれあう一瞬。幸せはこんなちっぽけな成功からつくられる。大きな成功なんて、滅多に訪れない。
膨大な数のちっぽけな成功をすべて手にいれていないなら、大きな成功なんてなんの意味があろうか』
ノーマン・レア、映画プロデューサー

この本の中で著者の小池さんは瞑想をすすめています。瞑想はうまくいかない時も度々ありますが、やはり効果はあります。毎日瞑想を実践していると、怒りや後悔の感情で心が乱されることが少なくなってきます。怒りや後悔というのは、今現在稼動している脳が、過去の経験を元に焼き直して作り出している感情だということです。瞑想を実践すると今この瞬間の呼吸やイメージに集中することで、頭がすっきりすることを体験できます。このすっきりした感覚が習慣化することで、怒りとか後悔で大きく感情が乱されることが少なくなってきます。

人生において中々自分の得たいものが手に入らないとき、焦りを感じてイライラしてしまうこともあります。しかし、結果よりもそこに至るまでの過程が大事です。自分の本当の想い、自分が本気になれる目標を設定すると、そこに至るまでの過程も前向きに捉えることができます。

自分の本当の想いや、やりたいことを見つけるにはいろいろと行動して試してみることが大切です。そして、その時々で心に問いかけるということも必要になっていきます。心を静かに落ち着けて、リラックスして、自分の心の奥底にある本当の気持ちを問いかけてみるのです。瞑想も効果的です。

そうした時に出てきた本当の気持ちに従って行動します。過去に見聞きした他人の価値観ではなく、自分が素直に良いと感じられる価値観に従って行動するのです。それは一般的に良いとされる価値観ではないかもしれませんが、長い目で見れば自分の素直な気持ちに従う方がうまくいくと感じています。