「日暮旅人の探し物」は今まで考えもしなかった視点からみた内容

探偵日暮旅人の小説はシリーズ化されています。そのなかの1作目である日暮旅人の探し物では日暮旅人という主人公が様々なもの、思い、人を結びつけ最後は全員が笑顔になれる物語となっています。

日暮旅人は過去のある事件をきっかけに視覚以外の聴覚や触覚、味覚や嗅覚がありません。まずここからしても今まで考えもしなかった視点から描かれている小説だと思います。

普通は視覚だけない、味覚がない、というような視点から描かれる作品が多い中、視覚以外のすべてがないとは斬新かつ新鮮な感じを受けました。

視覚といっても全てが見えるわけではなく、感情や音などが色で目に見えるというのも面白かったです。今普通に見えている景色が見えるのではなく、色だけが見えるという発想にはなかなか行き着きません。

今シリーズをきっかけに、話は過去へ過去へと上り詰めていくのですが、描写本当にうま過ぎてすっかりこちらの小説にのめり込んでしまいます。

主人公以外の人間たちも中々面白い方々がそろっています。口が悪くても根は優しい人、血のつながりのない娘だけれど心はつながっている娘、おせっかいだけどどこか憎めない保育士先生等。

何とも個性あふれる仲間が揃い、助け合い笑い合い、話し合いをする血のつながらない大きな家族みたいな存在がいるというところも、温かくこの小説にのめり込む理由の一つです。