「風と共に去りぬ」は、映画よりも壮大なスケールを感じられる

映画では何度も観たことがある「風と共に去りぬ」ですが、初めて小説で読みました。映画よりも更に細かな情景が壮大なスケールで描写されており、その時代背景や登場人物の心の揺れ動きも手に取るようにわかるとても楽しい作品でした。

アメリカの南北戦争勃発当時の、南部の貴族たちの優雅な暮らしぶりが目に浮かぶように描かれており、歴史書よりも面白く読むことができました。奴隷たちが置かれた苦境の中で精一杯生きていく力強さを感じることができ、読み手の気持ちがどんどんその時代へと引き込まれていくような作品です。

映画では描ききれていなかったヒロインの「女であることを最大の武器として、誰よりも華やかに自分の人生を生きてみせる」という心の中に秘めた強い野望が、混沌とした世の中でどのように変化して行くのかを見事なまでに描写しています。次から次へと起こる問題や事件に立ち向かう若きヒロインが、自分を思って苦しみ、人を思って苦しみ、そして時代の変化を思って苦しむ…まさに「南北戦争という風」とともに「南部の奴隷制度が去る」という時代背景の中でもがき苦しみ、そして新しい時代の幕開けに希望を持って立ち向かっていかんとするヒロインの、悲しくも希望に満ちた表情や心の移り変わりを細かく感じさせてくれます。

映画での限られた時間では表現しきれていなかった登場人物たちの憎悪や愛、絶望や希望を、自分なりの解釈と想像を持って理解することの楽しさを味わえる作品です。