ビギナーさん向け「食堂メッシタ」

小説は読みたいけど、どんなものを選んでいいかわからない、長くて難しいのは苦手という方にもサクッと読めてしまえる本をご紹介したいと思います。

山口恵以子さん「食堂メッシタ」

食に関する小説を数多く出版されている著者ですが、やはり同書もタイトルからわかる通り食に関するお話です。とは言っても、よくありがちなレシピがつらつらと続くでもなく、食レポのような食べた感想が長ったらしく書かれているわけでは無いのでサクッと読むことができます。

登場人物も比較的少ないので、思わず前のページに戻って順をたどるという煩わしさもありません。ストーリーとしてはすごく深いわけではありませんが、語り手の視点が独特で女性オーナーにスポットが当てられています。飲食店で働いている方やお料理が好きな方であれば読み込んでしまうと思います。

中でも一番魅力的だと感じたところは、本の中に登場するイタリア料理の描写が美しく文字だけなのにシズル感がたっぷり感じられます。食に関する小説を読むとお腹が空いてしまうものですが、「食堂メッシタ」を読んだあとはいつも以上にお腹が空いてしまいます。ちょっとだけリッチで小洒落たバルに挑戦してみようかな、といった気分にもなります。本を開いて、読み終わった後は美味しいお料理を探す贅沢な休日にしてみるのはいかがでしょうか。