『コンビニ人間』には衝撃をうけつつも納得する部分が多々ありました

村田紗耶香さんの『コンビニ人間』を読みました。このパサついた都会的な題名に、正直なところ読もうかどうか迷っていました。でも読んでみて、思っていた内容とはかなり違い、現代社会の鋭い描写に驚きました。

最も印象に残ったのは、主人公の恵子がバーベキューパーティーで、独身でアルバイトの身であることで浮いてしまうシーンです。結婚して子供がいるか、仕事が忙しいか…のどちらでもないことで、とても不愉快な扱いを受けます。こういうシーン、世の中のあちこちで繰り広げられているのではないでしょうか。

私は同窓会も同じ性質のものを感じて、あまり気が進まないほうなのです。せっかく集まった大事な数時間なのに、結婚しているのか、子供はいるのか、仕事は…この会話が人間は大好きです。そこが、縄文時代と変わらないと言う表現も意外に的を得ているように思えて苦笑してしまいます。

この小説には、みんな伝染し合って人間であることを保ち続けている…という言葉も出てきます。少し変わった生き方の人を見付けて意地悪く攻撃する人達も、実はどこかで聞いたり読んだりして伝染した内容を持論だと錯覚しているように思います。結婚してるか・子供はいるかの会話しか出来ない人だと、もし自分が一人になってしまったら自分を語るものがゼロになってしまいますし。

それから、私は個人的にコンビニのアルバイトを長年続けられている主人公は凄いと感じています。もし私が話の中のパーティーにいたら、ストーリーが幾分変わっていたかもしれません。