男たちの大和

私が今回お薦めしたい作品は『男たちの大和』です。

映画のシナリオを小説にした太平洋戦争時に活躍した戦艦大和に乗り組んだ人達の話です。

ある女性が、鹿児島県の枕崎で大和が沈んだ海域に船を出してくれる人を探しています。

それを聞き入れた老人は、女性の父親のかつての部下でした。

主人公はまだ10代後半の少年兵であり、仲間もまた同じような年齢で大和に乗り組み、それぞれの配置で切磋琢磨していきます。

上官との厳しくも温かい交流、家族との別れ、窮地の沖縄へ飛行機の護衛無しでの海上特攻作戦。からくも生きて帰ってきた主人公に待ち受ける非難。幼なじみの少女を襲った原子爆弾。

目新しいストーリーではありませんが、情緒に訴えかける反戦映画としては成功しているのではないでしょうか。

戦後ずいぶんと経って生まれた私は、戦争とはいけないものだという漠然としたことしか思っていなかったし、当時の人々の『お国のために』という考え方がいまいち理解出来ませんでした。

しかし、若くても、自分が家族を、好きな人を守りたいから闘うんだと言う主人公を見ているとすんなり理解出来ました。

自分が闘うことで、1日でも長く生きていてくれるなら戦場に行くこともいとわないという気持ちは年代を超えると思います。

初めて観たときは少年兵の目線でしたが、現在は上官の目線で観ています。

『死ぬことがどういうことかわかっているとは思えん。』

という、上官のセリフがありましたが同意件です。

少年の純粋な思いも利用して闘わせる戦争というものを改めて怖いと思いました。